今回のテーマは前回のシートポジションとも密接な関係がある、ステアリング操作についてです。今回はステアリングの正しい握り方についてお話して行きたいと 思います。
図1:正しい握り方。
「ステアリングの握り方なんて教えられなくてもわかってるよ~」
と思われた方、非常に多いのではないでしょうか?
でもね、走り始めた直後は大丈夫だけど、30分もすると無意識の内に
凄いハンドルの握り方をしている人が意外に多いんです!
機会があれば一度、助手席の方に運転中のステアリング操作を確認して
もらうと意外なクセがわかるかも知れませんよ。
スムーズで正確なハンドル操作は、車にも環境にも優しいドライブに
繋がります。
もちろん、サーキットで速く走るためにも絶対に必要な要素なので基本から
しっかりと身に着けて行きましょう。
【グリップ位置の基本】
一般的に正しいステアリングのグリップ位置として時計の針に例えて
「9時45分」「10時10分」が基本位置だとされています。
確かにこれは正解なのですが、実際にはステアリングのスポークの位置に
左右されるので、それほど難しく考える必要はありません。
ここでは最も一般的なT字型スポークのステアリングを例にグリップ位置
について説明して行きますね。
【写真で解説するグリップ位置】
図2:正しいグリップ位置。
※ステアリングのスポーク形状にそって自然に手を添えた形がこちらです。
腕が伸びてしまったり、肩が上がったりしていない事が確認できますよね。※
図3:悪いグリップ位置。
※女性や小柄な方に多く見られるのが、ステアリング上部を握ってしまう形。
肩にも不自然な力が入ってしまうので、長時間ドライブ時の肩コリの原因かも?
シート位置が近過ぎる(背もたれが起き過ぎている)場合に起こるグリップ位置
でもあります。※
図4:悪いグリップ位置。
上の写真とは正反対に、ステアリング下部を握ってしまう形。
見るからに腕が窮屈に見えますよね?
これだと歩行者やスリップなどの急を要する場面などで正確なステアリング操作が
出来ません。
シート位置が遠すぎる(背もたれが寝過ぎている)場合に起こりやすいグリップ位置です。
図5:悪いグリップ位置。
少し極端な例ですが、左右どちらかの腕が上下しているパターン。
どちらか片手でステアリングを握っている状態もこのパターンにあたります。
街中でも一番多く見受けられる握り方ですが、これが3つの中で一番危険な握り方です。
ハンドルを切る→戻すの基本操作がスムーズに行えず、車の挙動変化時にも的確な
ステアリング操作を行う事が出来ません。
【まとめ】
ここまでの内容を読まれた方はもう一度、一枚目の正しいグリップ位置の
写真を確認してみて下さい。
他の写真と比べても一番自然で、身体のどこも無理していないでしょ?
ステアリングのグリップ位置と言うのは私生活で言う所の「姿勢」です。
間違ったフォーム(姿勢)ではどんなスポーツでも上手くプレイできないのと
同じで、間違ったステアリング操作では速くも安全にも走る事はできません。
冒頭でも書きましたが、ステアリング操作と言うのは、「シート位置」とも
密接な関係にあるので、どちらか片方ではなくセットで考えて下さい。
凄く初歩的な事ですが、サーキットでも街中でも運転の核となる部分なので、
この機会に一度見直してみましょう。
正しいグリップ位置を身につけた次のステップは「ステアリング操作」に ついてお話しして行きたいと思います。 それではまた次回の更新でお会いしましょう!
1982年6月2日生まれ / 兵庫県出身
1994年よりレーシングカートで活躍の後、単身渡仏し、la filiere 入校。 帰国後の2000年、無限フォーミュラチャレンジ参戦し、シリーズチャンピオン獲得。 2001年には、SRS-F(鈴鹿レーシングスクール)入校、主席で卒業。 2002~04年には、フォーミュラドリーム参戦、シリーズチャンピオン獲得。 2005年以降は、全日本F3選手権、SGT300クラス、S耐久シリーズなどに参戦。
現在、日本で注目されているプロレーサーの1人である。 経験に裏打ちされた車や運転に関する豊富な知識、および、そのレクチャー&レッスンには定評がある。

